国際航空貨物取扱士(IATAディプロマ)
国際航空貨物取扱士(IATAディプロマ)とは
国際航空貨物取扱士(IATAディプロマ)とは、航空貨物運送についての知識とスキルを認定する資格です。正式には「INTERNATIONAL CARGO AGENTS TRAINING PROGRAMME」といい、1977年より開始されました。
世界の民間航空事業に携わる定期航空会社の団体である「国際航空運送協会(IATA)」が認定しています。
日本では、JAFA(一般社団法人 航空貨物運送協会)がIATA公認のトレーニングセンターとして、CARGO分野の試験の管理・運営を行っています。
現在以下の3つのIATAディプロマの試験が実施されています。
- 基礎(I) コース(CARGO INTRODUCTORY COURSE)
- 危険物(M2)コース(DANGEROUS GOODS REGULATIONS-INITIAL /Category3)
- 危険物資格更新(MR)コース(DANGEROUS GOODS REGULATIONS-RECURRENT/Category3)
「危険物資格更新(MR)コース」は、危険物(M2)合格者が資格更新のための試験になりますので、実際には2つの資格試験になります。
危険物(M2)コースは2年ごとの資格更新が必要となります。資格を失効した場合でも「危険物資格更新(MR)コース」で再び合格することで有効となります。
国際航空貨物取扱士(ディプロマ)の資格を取得するためには、世界各国に共通するテストがあります。航空貨物業界や貿易・流通関係業界で必要な、国際航空貨物の運送状・輸送スケジュールの作成や運賃計算等の知識が問われます。
IATAディプロマ試験とは
IATAディプロマ試験は、基礎、危険物の2コースに分かれており、いずれも日本だけでなく世界100ヵ国で通用する国際資格です(過去には上級コースがありましたが現在は休止となっています)。航空貨物運送業界への就職、転職の際に有利となる、自己証明書(CERTIFICATE)になります。
資格試験はどなたでも受験することができ、社会人、学生など多くの方が受験しています。国際大学や外語ビジネスの専門学校、語学学校などでもカリキュラムとして用意されている注目されている資格です。
受験するには航空貨物運送協会に受講登録する必要があります。受講登録後に教材が送られてきますので、独学、スクールなどで学習し、試験を受けます。合格者には「ディプロマ」という国際資格が付与されます。
受験料は高額ですが、試験でも使用する教材費が含まれており、受講登録18ヶ月内であれば2回まで受験することが可能です。また、試験前には講習会が行われ、出題傾向や質疑応答など試験対策となるサポートを受けることもできます。
IATAディプロマ試験の難易度は
合格率:基礎60%、危険物40%
難易度:難易度は中レベルですが、試験は全て英語で行われます
合格率は基礎60%前後、危険物40%前後と、試験の難易度はそれほど高くはない資格です。
試験はすべて英語で行われます。日常会話レベルの英語が必要となります。
合格点、日程、試験会場、費用など
受験資格 | 特別な資格は必要ありません。 「危険物資格更新(MR)コース」は「危険物(M2)コース」合格者が対象となります。 ただし、受験者はJAFA(一般社団法人 航空貨物運送協会)にて受講登録をする必要があります。 |
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試験日程 | 【基礎(I)コース】 毎年3月、9月(年2回) 【危険物(M2)コース】 【危険物資格更新(MR)コース】 ※受講登録後18ヶ月内であれば2回まで受験することができます。 |
申し込み方法 | 全ての試験は事前登録が必要です。 JAFAのホームページより登録します。詳しく→ |
受験料 | 【基礎(I)コース】 非会員価格57,500円 / JAFA会員価格47,000円 【危険物(M2)コース】 【危険物資格更新(MR)コース】 |
試験時間 | 【基礎(I)コース】 3時間 ※英文教材OAG and TACT Training Edition を参照しながら解答します 【危険物(M2)コース】 【危険物資格更新(MR)コース】 |
試験会場 | オンライン試験 詳しくはJAFAサイトでご確認ください。詳しく→ |
テスト結果の通知 | 試験の約1か月半後に合否結果が、登録のE-mailアドレスに送られます。 JAFAウェブサイトでも確認できます。詳しく→ 合格発表から約3週間後にIATAモントリオール発行の「IATAディプロマ」が送付されます。 |
IATAディプロマの試験内容
基礎(I)コースの試験内容
国際航空貨物の運送状(AWB)及び輸送スケジュールの作成、運賃計算等についての基礎知識が問われます。
出題範囲 | 1.発着地空港を中心とした世界地理 2.国際時刻表の見方と利用方法 3.航空機の種類と機能 4.航空貨物運送状の作成 5.TACT(THE AIR CARGO TARIFF)の規則と航空貨物運賃・諸料金の計算など |
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危険物(M2)コース
IATA危険物規則書(DGR)についての関連書類、輸送梱包等の専門知識が問われます。
出題範囲 | 1. IATA DANGEROUS GOODS REGULATIONS (IATA) 危険物規則書の正確な適用 2.危険物の輸送に関する輸出者、貨物取扱店及び航空会社の適正な取扱いについて 3.適確な梱包、マーキング、ラベリング 4.危険物輸送の諸条件を満たした危険物申告書及び航空貨物運送状の作成等についての質問 |
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危険物資格更新(MR)コース
危険物(M2)コース合格者の資格更新の試験となります。過去に合格し、資格が失効していても受講出来ます。
ICAO(国際民間航空機関)規則の改正が毎年かなり多く行われていることから、有資格者の資格更新が義務付けられています。
危険物(M2)コースと、教材・試験問題とも全く同様です。
IATA危険物規則書(DGR)についての関連書類、輸送梱包等の専門知識が問われます。
合格のための勉強法
基礎コース、危険物コースともに受講登録すると「英文教材」「和文教材」の教材が送られてきます。教材には基礎知識から過去問題が掲載されているので、この教材を中心に学習します。
テストが英文ということで英語の読解力が必要となるため、英語力に自信がない方は英語の辞書が必要となります。問題の英文はそれほど難しい英文では無く、和文の教材も届くため英語力に自信がない方でも合格は難しくはありません。
教材の基礎知識をザックリと理解しながら、過去問題を解きながら学習するのが良いでしょう。
計算問題と英語の専門用語の理解が学習のポイントとなります。また、テストでは教材を持ち込んで参照しながら回答するので、教材の内容をある程度記憶するのも合格へのポイントになります。
独学で分からない点があれば、事前講習会に参加すると講師に質問することもできます。
事前講習会は講師にアタリ・ハズレがありますが、試験問題の出題傾向やポイントも教えてくれるので、事前講習への参加をお薦めいたします。